2016年9月18日日曜日

iPad版djay Proで任意のMIDIコントローラーを使用する方法

需要あるのか、ないのか、またニッチな情報です。

iPad版の「djay Pro」ではメーカーから認定されたいくつかのコントローラーを使用することができます。
 https://www.algoriddim.com/hardware
日本でも販売・入手できるのは、
reloop MIXTOUR
reloop Beatpad(1,2)
Pioneer We-GO3
Vestax SPIN2
Numark iDJ Pro
あたりでしょうか。
しかし、MIXTOUR以外は生産完了しているとか新品が流通していないという…。
(その他は入手難度とか実用性の面で難ありそうなので割愛)

表向きは「これらiOSでの使用を認められたコントローラーしか対応していない」





と、思い込んでいました…。





「任意のMIDIコントローラーでiPad版djayでも認識、使用可能」です。

きっかけは、algoriddimのdjayのフォーラムのこのトピック
http://community.algoriddim.com/algoriddim/topics/midi_learn_on_ipad
「Pioneer DDJ-SXでiPad Pro上のdjay Proをコントロールできた」
とかあったのです…。

マジか。

というわけで、いろいろ調べて検証してみました。

結果。
iPadのdjay ProでVestax VCI-400使えた。(おそらく他のコントローラーも可能)
↓検証動画
https://twitter.com/naru_narutan/status/773542992204357633


手順としては…
  1. mac版djay ProでMIDIマッピングし、MIDIマッピングファイルを作成。
  2. マッピングファイルのファイル名を、コントローラーの『装置名』と”完全一致”するようにリネーム。
  3. マッピングファイルをiTunesのファイル共有でiPadにコピー。
  4.  iPadにMIDIコントローラーを接続。 
 となります。以下、もうちょっと詳しく。


1. mac版djay ProでMIDIマッピングし、MIDIマッピングファイルを作成。

mac持ってない人は諦めるか、mac借りてきて下さい。
(windows版のdjay Proは無いです…)
mac App Storeで6,000円です。
「え、高い。macでDJするつもりないのに。」という方でも大丈夫。
フリートライアル版のdjay ProでもMIDIマッピングはできますので、マッピングするだけならフリー版でオッケーです。
https://www.algoriddim.com/djay-pro-mac/download
ただし、「15日間、一回の起動時間15分(15分経過すると強制終了)」なのでご注意を。

「mac版djayに対応コントローラー」を接続すると自動で認識、マッピングファイルもロードされます。
https://www.algoriddim.com/hardware
上記リストに無い、非対応のMIDIコントローラーでも、自力でマッピングすれば使用できます。
メニューバーのMIDIからコンフィグを選んで
マッピング対象にしたいツマミ、フェーダー、ボタンを触ってから、マッピングしたい動作を選ぶ。


 わーい簡単。
上記リストにあるコントローラーならば一通りマッピングされていますので、自分で手直ししたい動作項目だけを変更すればよいです。
変更したら必ず「完了」をクリック。
これでマッピングファイルが生成されます。

生成されたマッピングファイルは、「Option」→「ファインダーに表示」で保存されているフォルダを表示できます。
ここでは「○○ 変更済」といったファイルが生成されます。


2. マッピングファイルのファイル名を、コントローラーの『装置名』と”完全一致”するようにリネーム。

ここでポイントになるのが「iPad版のdjayはMIDIコンが接続されたときに、装置名と同一になっているMIDIマッピングファイルがiPad内に存在すれば機器を認識し、使用できる状態にする」ということです。

MIDIコントローラーの装置名は、macアプリケーションのユーティリティ内「Audio MIDI設定」から確認できます。
Audio MIDI設定を起動して、「MIDIスタジオ」を表示

ここに表示される『装置名』が、機器の認識・識別に使用されているようです。
今回は「Vestax VCI-400」とあるので、これをこのままコピー。
MIDIマッピングファイルを装置名と完全一致するようにリネームします。


3. マッピングファイルをiTunesのファイル共有でiPadにコピー。

iPadをmacに接続して、iTuneを起動。
ファイル共有から、MIDIマッピングファイルをコピーして同期します。





4. iPadにMIDIコントローラーを接続。

iPadにはUSBカメラアダプタを使用してMIDIコントローラーを接続します。


Lightning - USBカメラアダプタ

http://www.apple.com/jp/shop/product/MD821AM/A/lightning-usb%E3%82%AB%E3%83%A1%E3%83%A9%E3%82%A2%E3%83%80%E3%83%97%E3%82%BF

Lightning - USB3カメラアダプタ 
http://www.apple.com/jp/shop/product/MK0W2AM/A/lightning-usb-3%E3%82%AB%E3%83%A1%E3%83%A9%E3%82%A2%E3%83%80%E3%83%97%E3%82%BF

iPadとUSB-MIDI機器の接続についてはこちらの記事を

AppleがDTM正式サポート! Lightning-USB3カメラアダプタを使ってみた
http://www.dtmstation.com/archives/51974343.html

USBバスパワーのみで駆動するコントローラーであっても、iPadからの電力が不足することがあるので、給電付きUSBハブを間にかました方が良さそうです。



以上、長くなりましたが、
「iPadでも好きなDJ用MIDIコン使って4deckプレイできるんやで」
ということで。
近々(2016年秋?)にreloop MIXON4というコントローラーがリリースされる
http://www.reloop.com/reloop-mixon-4
のもあり、iPadでも4deckプレイとかバリバリやる人も出てくるのかなー、イヤ待てよ、この「公式では非対応のコントローラーが認識される」の、認識されないように対応されたらどうしよう、とか思ってたりします。

あと、自分の周りでは、SPIN2やWe-GOでiPadのdjayをコントロールしているDJさんも居るのですが、もしコントローラーが壊れたとしても他のコントローラーに乗り換える手段として、使える情報かと思います。

2016年8月5日金曜日

iOS DJ app「DJ Player Ver8」を以前のバージョンに戻す方法

2016年7月末、DJ Player 7.〇から8.0のアップデートにより、
以前まで「DJ Player」と「DJ Player Pro」と別アプリだったものが統合され、「DJ Player Professional」となりました。
ProがそのままDJ Player 8.0となったイメージです。
これに伴い、旧DJ PlayerとDJ Player ProはiTunes Storeから削除されました。
Ver7とproは別物DJアプリと言っていいほど、インターフェイスも操作性も異なります。
 Ver8(Pro)の画面。STEMSの利用を打ち出しているせいか、「どこを押したら何ができるのか」分かりづらい。
Ver7の画面。「タッチパネルでのDJプレイ」を分かり易くしたレイアウト。

proはSTEMS対応としたり、大型波形ディスプレイと意欲的ではあるのですが…。
Ver7の操作に慣れていると使いにくい…。

個人的にはiPadのDJアプリとしては、「DJ Player 7が至高」と思っています。
そこで、Ver7を使い続ける方法を紹介したいと思います。

ただし…

〇Ver7のアップデートが今後行われる可能性は低く、不具合もそのまま使い続けるしかない。
〇iOSのアップデートにより、使えなくなる可能性がある。(2016年秋リリース予定のiOS10で動作するのか不明)

なので、お手持ちのVer7とiOSとでずっと使っていく覚悟がある方のみ、参考にして下さい。

前提条件として、
〇現段階で「DJ Player Professional(Ver.8)」になっている、アプリ削除していない。
〇Ver8アップデート後、データ管理元Mac、PCの「ゴミ箱を空に」を実行していない。
〇「ゴミ箱を空に」してしまっていても、Time Capsule等でMacのバックアップを取っている。
必要があります。
アプリを消してしまっていたら、CUEポイント等設定データは復元できません…。

以下、「iPad、iPhone、iPodtouch等」を「iOSデバイス」と表記します。

「DJ Player」appを旧バージョンに戻す手順

0.「DJ Player Ver7」をゴミ箱、バックアップから探す。
1.iOSデバイスのアプリの「自動アップデート」を無効にする。
2.iTunesの「すべてのAppをアップデート」を行わない。
3.iOSデバイスからDJ PlayerのMIDI設定ファイル、データファイルをバックアップする。
4.iOSデバイスの「DJ Player Professional(Ver.8)」アプリを消す。
5.旧Ver「DJ Player」をiTunes上に復元する。
6.iOSデバイスとiTunesを同期して旧Ver「DJ Player」をインストール
7.iTunesからiOSデバイスにバックアップしたデータファイルを戻す。

 0.「DJ Player Ver7」をゴミ箱、バックアップから探す。


MacのiTunesでは、アップデートされて不要になった旧verアプリはゴミ箱に移動されます。
Windowsでもゴミ箱に移動されます。
ゴミ箱から「DJ Player 7.◯.◯.ipa」を探してください。
 見つからなかった場合はTimeCapsule等を使ってバックアップから探してください。
それでも見つからなかった場合はそこで試合終了ですのであきらめて下さい。

見つかったアプリ本体は、デスクトップにコピーして下さい。


1.iOSデバイスのアプリの「自動アップデート」を無効にする。


DJ Playerをインストールして同期もしているiOSデバイスの設定より、バックグラウンドでのアプリの自動アップデートを無効にします。
DJ PlayerをインストールしているiOSデバイス全てが対象です。
有効にしていると、バックグラウンドでアプリが更新されてしまいます。

2.iTunesの「すべてのAppをアップデート」を行わない。

 

データ管理元のiTunesで「すべてのAppをアップデート」を今後行わないようにします。アプリのアップデートを行いたいときは、各アプリのアイコンをクリックして「アップデート」のボタンを押すようにします。少し面倒になりますね…。


3.iOSデバイスからDJ PlayerのMIDI設定ファイル、データファイルをバックアップする。

 

iTunesからiOSデバイス内の「DJ Playerの書類」にアクセスし、
「**.djpmap(MIDIマッピング設定ファイル)」
「tracks_**.db(解析、CUEポイントデータファイル)」
をデスクトップに保存します。
DJ Player用のフォルダを作っておいて、定期的にデータのバックアップを取るのを推奨します。
iTunesファイル共有についての詳しい説明はこちら
https://support.apple.com/ja-jp/HT201301

4.iOSデバイス上の「DJ Player Professional(Ver.8)」アプリを消す。


アプリアイコン長押し→×マークタップで削除。

5.旧Ver「DJ Player」をiTunes上に復元する。


STEP0で見つかったアプリ本体をダブルクリックして「置換」をクリックします。
 iTunes内のアプリが旧Verに置き換わります。


6.iOSデバイスとiTunesを同期して旧Ver「DJ Player」をインストール


先ほど自動でインストールを無効にしたので、インストールするボタンを手動で押します。
(画像では既にインストールされてしまっているので「削除」のボタンになっていますが)
「インストール」のボタンを押して「同期」を実行します。
「おかえり、DJ Player 7。」


7.iTunesからiOSデバイスにバックアップしたデータファイルを戻す。


STEP3でのファイル共有から、バックアップしたデータファイルをiOSデバイスに戻します。
バックアップした「tracks_**.db」を一旦コピーして、「import.db」に名前を変更します。
iTunesのアプリ管理画面から、
「**.djpmap(MIDI設定ファイルはそのまま)」「import.db」をDJ Playerの書類フォルダに入れます。
iOSデバイスとiTunesを同期します。
HOMEボタンを2回押しして起動しているアプリ一覧から「DJ Player」(もし起動中なら)をスワイプして強制終了。
「DJ Player」アプリを起動して解析データが戻っていれば復元終了です。
DJ Playerのデータ管理方法についてはこちら
その後は…
「DJ Player」のアップデート通知が来ますが、手動でもアップデートせずに放置。
ゴミ箱内に過去のDJ Playerアプリ本体が残っているなら、全て別のフォルダを作って保存しておく。
定期的に「tracks_**.db」のバックアップを取る。(過去のVerは手動で取るしか方法がありません。)
iOSがアップデートされても、iOSをアップデートしない。(様子見する)

まあ、後ろ向きな手段ではありますね…。
djay proなり、他のDJアプリなりの移行も検討しておくべきなのかもしれません。


【参考にしたサイト】
iPhone、アプリを以前のバージョンに戻す方法
http://app-iphone.jp/izen-version-modosu-120

2016年6月30日木曜日

Bazik - ライブヴィジュアルアプリについて

narumo_toがVJプレイ時に映像ソースのひとつとして使っているアプリを紹介します。

Bazik
http://bazik-vj.com/
音声に反応して様々な図形、模様が動きます。
入力された音声を低音域、中音域、高音域のレベルに併せて、
それぞれで図形、色が動きます。
マシンパワー、エフェクトにもよりますが、60fpsでグリグリ動きます。
イベントで使用されている様子↓ 



画面構成、操作はシンプルで基本これだけ。
ツマミ、ボタンはMIDIコントローラーアサインできます。
解像度の変更もSDからFullHD、それ以上も対応。
台形補正機能もあり。
Syphonに対応しているので、他のVJアプリに出力映像を渡すこともできます。(Mac版のみ)
このアプリ一つでも、音に反応した面白い映像を出せる…とは思いますが、シンプルな図形が多く、長時間見ているとやはり飽きてくるので、他のVJアプリと組み合わせて動画素材の一つとして使うと良いと思います。

narumo_toがVJプレイで使用した記録です。↓
動画素材を一切使わず、Bazikにより自動生成された映像のみでプレイしてみました。
音声に反応して生成された映像に、エフェクトやミックスを手動で加えていく、といったプレイです。
Bazikを2つ起動して、それぞれSyphon経由でVJアプリのCoGeに渡し、さらにCoGeにてエフェクトをかけたりミックスしました。

Bazik自体は動作も軽く、操作も簡単で10分も使えば理解できると思います。

ただ…2015年5月から更新が止まってます…。
開発している様子も…あるのかな…。
ライセンスは99ユーロでPaypalからも支払いができます。
使用版は外部出力にロゴが入りますが、それ以外は一通り使用できます。

開発が止まってるのでおススメ…はできませんが、グリグリ動くのは面白いので使用版で遊んでみることはおススメしますw

2016年6月14日火曜日

VDJのできるアプリiOS(2016年版)

VDJ(VideoDJ)のできるiOSアプリまとめと簡単な紹介。
価格については、2016年6月現在。

「二つの動画ファイルを」「リアルタイムで音声も映像もミックスできて」「外部に出力できる」アプリはvjayとdjay PROだけのようです。
iOSの仕様として、「lightning端子からは、USB機器接続か映像出力どちらかしかできない。」(MIDIコン等を接続してHDMI出力はできない)ので、このアプリでVDJプレイをする、というよりかは、VJプレイのサブマシンとして使う、リップシンク用途(DJさんが流している曲にあわせてPV素材のタイミングを合わせる)での使い方になると思います。

vjay


iPad版公式サイト
http://www.algoriddim.com/vjay-ipad
iTunes 
https://itunes.apple.com/jp/app/vjay/id523713724?
1,200円

iPhone版公式サイト
http://www.algoriddim.com/vjay-iphone
iTunes
https://itunes.apple.com/jp/app/vjay-for-iphone/id565285557?
400円

2015年2月からアップデートが止まってる模様。
ビデオミックスの機能がdjay Proに統合されたため、そちらを使えという事なのかな…。
iPhoneでのVDJプレイは事実上このアプリだけ、です。


djay PRO


iPad版公式サイト
http://www.algoriddim.com/djay-pro-ipad
iTunes
https://itunes.apple.com/jp/app/djay-pro/id1056681903?
2,400円

vjayで独立していたビデオミックス機能が、PROで統合されました。
vjayと比較しても、Full HDレンダリング、60fps、4Kビデオ対応、ビジュアライザ搭載、と強化されているようです。

2016年6月11日土曜日

VDJのできるアプリWin,Mac(2016年版)

VDJ(VideoDJ)のできるアプリ、ソフトのまとめと簡単な紹介。
価格については、2016年6月現在。


Serato Video


Serato 公式サイト
https://serato.com/video
日本代理店 Dirigent 製品紹介ページ 
https://dirigent.jp/product/serato/serato-video/

Win、Mac対応
Serato DJにビデオミックス機能を追加するプラグイン。
パッケージ版の販売はなく、ライセンス販売のみ。

Serato DJ USD129
Serato Videoライセンス USD149
よくセールで安くなってます。
https://store.serato.com/us/software

(おそらく)世界で使ってる人が一番多い。
Serato DJで使える対応DJコントローラが限られている。
https://serato.com/hardware
アップデート、機能追加は頻繁に行われている。

Syphonに対応しているので、他のVJアプリにビデオ出力を渡せる。(Macのみ)


Cross DJ 


CROSS DJ 公式サイト
http://www.mixvibes.com/cross-dj-mac-pc/
Mac App Store
https://itunes.apple.com/jp/app/cross-dj/id417725762?

Win、Mac対応
MacAppStoreでの購入がめっちゃ安い!!
CROSS DJ ¥2,400-
Full Video Output ¥1,200-
3,600円でVDJアプリが手に入る…。

CROSS DJは日本でのシェアは低いが、かなり安定し、機能も充実したDJソフト。
(MIXVIBES社はかつてrekordboxの開発も手がけていた。)
好きなMIDIコントローラ(DJ用でなくても)とオーディオIFが使え、MIDIマッピングの自由度も高い。

ただし、シェアが低いせいか、2015年8月以降、アップデートされていない。
将来性には期待薄だが、安価にVDJ始めたい人にはおすすめ。


djay Pro


djay Pro 公式サイト
https://www.algoriddim.com/djay-pro-mac
Mac App Store
https://itunes.apple.com/jp/app/djay-pro/id947578651? 

Mac版のみ ¥6,000-
プラグインとかではなく、djay Proの標準機能としてビデオミックスができる模様。
iOS版のdjayとiCloudでメタデータの同期。
現場でMac版djay使ってる人を見た事ないので、未知数です…。


VIRTUAL DJ


VIRTUAL DJ公式サイト
http://www.virtualdj.com/ 

Win、Mac対応
VirtualDJ PROのライセンスが必要?USD299

日本では、アニソン系VJさんがアニメOPED素材を出すのに使用している事例があります。(5年前だと、このソフトしか使えるものがなかったそうです。)